「森友問題」「赤木ファイル」全文(と称するもの)の考察(2021/08/08)

2021年6月22日(火)に原告側に届き、報道された、「赤木ファイル」。

その全文(財務省がようやく裁判所の指示で黒塗りの上に提出したもの)は、一般の人間にはすぐに確認することができなかったが、その二日後に行われた、「国対ヒアリング」の流れで、「石垣のりこ後援会」さんがDropboxでアップしてくれていて、ネットで閲覧することができた。

【国対ヒアリング】6月24日(木) 14:00~通算第56回「森友問題再検証チーム」ヒアリング

立憲民主党ホームページ、”同”、2021年6月23日。【国対ヒアリング】6月24日(木) 14:00~通算第56回「森友問題再検証チーム」ヒアリング – 立憲民主党 (cdp-japan.jp)(参照2021-06-25)

NORIKOROCK石垣のりこ後援会さんはTwitterを使っています 「https://t.co/yEIeBscGPz https://t.co/lj9i9vDbEu」 / Twitter

https://twitter.com/norikorock2019/status/1407939547153846284(参照2021-06-25)

これらの公開された資料を参考にし、これまでの情報を踏まえた上で、「赤木ファイル」の内容について、気になった点を述べ、考察をしたい。

[公開:2021/08/08]

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「森友問題」「赤木ファイル」に何が書かれているかの考察(2021/05/14)

架空小説「仮名手本森友学園」

2021年5月6日。日本政府は、国会や裁判で問われても、これまで、あるかどうかすら答えなかった、いわゆる「赤木ファイル」について、ようやく、存在することを認めた。

国が赤木ファイル存在認める 「存否必要ない」から一転

朝日新聞デジタル、米田優人、森下裕介、”同”、2021年5月6日 18時53分。https://digital.asahi.com/articles/ASP5664CFP56PTIL00C.html(会員記事。参照2021-05-06。)

この、財務省近畿財務局の職員だった赤木氏により改ざんの経緯を記されたファイルについては、様々な証言や状況から、存在していることは明らかだった。ただ、国側が、かたくなに、その存在を含めての説明を拒否することで、かえって、疑念は膨らむものになった。

そこで、「赤木ファイル」に何が書かれていたのか、時系列を整理することで予測する一方、国側が改ざんを認めた上でさらに何を隠そうとしているかについて、現時点での推測したい。

[2021/05/14公開]

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「森友問題」における会計検査院の成果を検査する(2020/11/22)

架空小説「仮名手本森友学園」

2020/11/06の衆議院運営委員会で、会計検査院検査官の所信聴取が行われ、「森友学園」をめぐる財務省の文書改ざん問題について言及があったとのニュースがあった。

「森友」再調査せず 会計検査官

時事ドットコムニュース、”同”、2020年11月06日16時06分。https://www.jiji.com/jc/article?k=2020110600726(参照2020-11-21)

岡村肇会計検査院検査官は、学校法人「森友学園」をめぐる財務省の文書改ざん問題について、

「必要な検査は行ったと考えているので再検査は予定していない」

同上。

と答えたということだ。

森友問題に対する会計検査院による検査(とそれに類するもの)については、当ブログでも、何度か取り上げ、整理した上で考察してきた。

今回は、当ブログでの会計検査院報告に対する過去のまとめと考察を振り返ることで、改めて、この岡村氏の「考えている」という認識が正しいのかどうか、会計検査院が「必要な検査を行った」かどうか、について、「検査」する。

[公開:2020/11/22]

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「森友問題」「不動産鑑定等による調査報告書」の整理とまとめ(2020/05/17)

架空小説「仮名手本森友学園」

2020/05/14(木)、公益社団法人大阪府不動産鑑定士協会により、「森友学園案件」についての調査報告書の発表があり、その翌日には、全文が公開された。

森友学園案件に係る不動産鑑定等に関する調査委員会から調査報告書を受領いたしましたので、概要版を公表いたします。

公益社団法人大阪府不動産鑑定士協会、”森友学園案件に係る不動産鑑定等に関する調査報告書”、2020-05-14。https://rea-osaka.or.jp/info/weblog_1589213453.html(参照2020-05-16)

2020年5月14日付けで公表しました森友学園案件に係る不動産鑑定等に関する調査報告書の全文を公表いたします。

同上、”森友学園案件に係る不動産鑑定等に関する調査報告書の全文を公表いたします”、2020-05-15。https://rea-osaka.or.jp/info/weblog_1589431927.html(参照2020-05-16)

このような調査が行われたことを、私は寡聞にして知らなかった。こんなブログ記事を書いておきながらお恥ずかしい話ではあるが、こうやってまだまだ知見が得られるのはありがたく、この問題の奥深さを語っている。

当ブログでは、二年ほど前に、問題の土地について、ネットで得られる情報から、評価額や埋設物処理費用などの変遷の時系列表を簡易的に作ったことがある。その時の、率直な感想は、「作った労力の割に、得るものは少ない」(当ブログ記事”「森友問題」問題の土地の評価額等の変遷の簡単なまとめ(2018/06/12)”)だった。ある程度一貫していると思えば、飛び抜けた評価額があるなど、素人からすれば、鑑定士の専門家としての信頼性に、率直な疑義を持ったのは確かだ。

ただ、大阪府不動産鑑定士協会が、このような疑義を持たれていることを認識し、信頼性の回復・向上を図るために、外部の専門家により調査を依頼し、その結果である報告書を公表したことには、敬意を表したい。

私は、不動産の専門家でも何でもない素人であるが、今回の調査報告書について、要旨をまとめたうえで、分かったことを整理したい。

公開:2020/05/17

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「森友問題」8億円値引きごみストーリーにおける国土交通省の関与についての現時点でのまとめと考察(2020/04/08)

架空小説「仮名手本森友学園」

2020年3月26日発売の週刊文春に、森友問題で自死した財務省職員の手記公開の続報として、売買担当者だった職員が遺族に証言していた内容が掲載された。

池田氏は昌子さんに対し、「どれだけ費用がかかって、どれだけ売却価格から引かなければならないかということを、自分たちは最後まで調べようと努力したが、(国交省の)大阪航空局(問題の土地の管理者)は動かなかった」「この8億の算出に問題があるわけなんです。確実に撤去する費用が8億になるという確信というか、確証が取れていない」などと明かした。

(引用者注:池田氏は当該土地の近畿財務局の売買担当者で、自死した職員の改ざん時の上司。昌子さんは仮名)

「週刊文春」編集部、”「8億円値引きは問題だった」森友事件 近畿財務局「売買担当者」が赤木さん妻に告白”、週刊文春 2020年4月2日号。2020/03/25。https://bunshun.jp/articles/-/36823(参照2020-04-06)

これを読んだ時、違和感があった。近畿財務局が大阪航空局のせいにしているように感じたからだ。

8億の値引きに関しては、以前、「値引きストーリー」の考案者の考察を試みた際、出てきた「書類と音声データを見れば、大阪航空局が主導しているように見える」としたものの、本省理財局がそれより以前にひな型を用意していた可能性を考えていた。[当ブログ記事”「森友問題」値引きストーリー考案者の考察(後半)―主導者の考察”]

だが一方で、大阪航空局にも、これまで違和感があったことも思い出した。

私は、森友問題における国土交通省については、「わき役のイメージが強い」としながらも、いろいろと立ち回っている姿には疑問に思っていた。以前、それまでの公開された文書等を元に考察してみたものの、不十分なものに終わっていた。(当ブログ記事”「森友問題」公開された文書に見る国土交通省の関与についてのまとめと考察(2019/09/14)”)

そこで今回は、文春に掲載された新たな証言を考慮に入れて、改めて、「ごみストーリー」における、国土交通省の役割について考察したい。

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「森友問題」全文公開された「自殺職員手記」についての整理と考察(後編)―手記の考察

架空小説「仮名手本森友学園」

前回記事”「森友問題」全文公開された「自殺職員手記」についての整理と考察(前編)―手記の要旨[2020/03/22]”からの続き

「手記には新事実がないから再調査しない」と言っている人間がいるようだが、それは手記を読んでいないウソつきか、その発言は「手記はすべて事実」と認めることなることに気付かないバカか、のどちらかだろう。

後半となる今回の記事では、前編でまとめた要旨を元に、内容について考察してみたい。

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「森友問題」全文公開された「自殺職員手記」についての整理と考察(前編)―手記の要旨

架空小説「仮名手本森友学園」

森友問題で、自死された財務省職員の遺書・手記は、2020年3月18日(水)発売の週刊文春(2020年3月26日号、株式会社文藝春秋)に、相澤冬樹氏による記事と共に、全文が掲載された。また、同日、大阪日日新聞にも、手記が全文掲載された。[大阪日日新聞、19面。https://www.nnn.co.jp/dainichi/で当日閲覧可能な紙面ビューアで確認(参照2020-03-18)]

また、翌日は、ご遺族が国と佐川氏を提訴したという記事とともに、手記全文を掲載した全国紙があったようだ。(全国紙の各紙を確認した訳ではないので、各紙の詳しいことは分からないが、読売新聞は全文を掲載していないことは個人的に確認した。)

公開された手記全文の内容について、当ブログでは二回に分けて、整理し、考察したい。初回となる今回は、まず、要旨をまとめることとする。

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「森友問題」「自殺職員手記」に書かれた「法律相談文書」についての整理(2020/03/18)

架空小説「仮名手本森友学園」

2020年3月18日(水)発売の週刊文春(2020年3月26日号、株式会社文藝春秋)で、森友事件で自殺した財務省職員の遺書が公開されるとの報道があった。

「すべて佐川局長の指示です」森友事件で自殺した財務省職員「遺書」入手

文春オンライン、「週刊文春」編集部、”同上”、2020/03/17。https://bunshun.jp/articles/-/36667(参照2020-03-18)

改めて、自死した職員のご冥福をお祈りするとともに、ご遺族にお悔やみ申し上げたい。

現時点で私は、記事全文を読んでいないが、上記記事に掲載されていた手記の写真の一部に、

(前略)本省より財務局に以下の対応の指示がありました
(中略)
●検査院には法律相談関係の検討資料は「ない」と報告する
(後略)

同上。記事内の掲載写真から一部分を書き取り。(2020-03-18参照)

と書かれてあることが読み取れて、驚かされた。

これまでの財務省や会計検査院の報告と異なる点であり、手記の内容が事実であれば、財務省は未だにウソをついていることとなる。

そこで今回は、

森友問題における「法律相談文書」

について時系列を整理することで、この食い違いについて明らかにしたい。

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「森友問題」「本件の特殊性」についてのまとめと整理(2019/12/17)

架空小説「仮名手本森友学園」

「桜を見る会」を巡る不正が次々と発覚している。

公共の私物化、首相夫人・知人たちによる利権化、役人の私兵化、公文書の隠蔽・改ざん・・・。

森友問題で問われていたことが再び起こっている。

森友問題では、問題が発覚し追及が行われると同時に、公文書の改ざんが行われてた。「桜を見る会」でも、同時進行で、隠蔽が行われている、と疑った方がいい。それだけのことをしてきた「実績のある」政権なのだ。

不正は繰り返される。一度目の不正を正さない限り、何度でも。

その「桜を見る会」の不正に関連して、「本件の特異性」というタイトルの文書が明らかになった。消費者庁の内部文書とみられる。

そして、この、「本件の特異性」という言葉には聞きなじみがあり、「森友問題」でも、「本件の特殊性」「本地の特殊性」などの類似した語句で、何度か登場していた。

そこで今回は、森友問題における「本件の特異性」(と類似する言葉)について、まとめ、整理したい。

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「森友問題」テレビ東京による「財務省不開示文書入手」ニュースから分かったこと(2019/11/05)

架空小説「仮名手本森友学園」

2019年11月5日、テレビ東京のニュース番組で、財務省が不開示としていた「森友文書」をテレビ東京が入手したと報道された。

テレ東NEWS、”【独自】 財務省「森友文書」5,633枚入手”、2019/11/05。

https://www.youtube.com/watch?v=ookaQa_WrH4(参照2019-11-05)

財務省は、いったん不開示決定したものを、のちに総務省の審査会に違法と判断されたこともあって、開示したらしい。ようやくと言っていいだろう。

残念ながら、現時点でその公開された文書は、財務省のホームページ等のネット上では確認できていない。また、報道されている限りでは黒塗りが多く、財務省がしぶしぶ出した経緯や、平気で改ざんをする経歴を持つ組織であることからして、今回の文書が、問題の解明に役に立つかは不明だ。

だが、今回のニュースから得られる情報をまとめ、分かったことを整理することで、考察を試みたい。

[公開:2019/11/06]

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