サッカーW杯の日本対コロンビア戦を「サランスクの奇跡」と呼ぶ裏話

2018年6月19日

サッカーワールドカップの日本対コロンビア戦は2-1で日本が勝利した。

「世界ランク61位の日本が、世界ランク16位の格上のコロンビアに勝った」

「ワールドカップでアジア勢が南米勢から勝利したのは初めて」

などの言葉から、この試合の結果は、番狂わせだったことがうかがえる。

(参考)
https://www.fifa.com/fifa-world-ranking/ranking-table/men/
(参照2018-06-24)

スポーツの世界では、事前の予想と違う結果になった場合、その試合が行われた地名とともに、勝者には奇跡、敗者には悲劇、と名付けられることがある。

今回のコロンビア戦の勝利で、すでに一部のマスコミでは、試合が行われた地名を取って、

サランスクの奇跡

と呼んでいるようだ。

ここでは、スポーツにおける「○○の奇跡」について、過去の例を含めて考察したい。

[当記事は、「はじめはみんな初心者だった」の記事「サッカーW杯日本対コロンビア戦を「サランスクの奇跡」と呼べるのか」(参照2018-06-24)をコピー・リライトしたものです

1.スポーツにおける奇跡とは

スポーツでは、事前に推測される実力差から、結果がある程度予想できることが多い。過去の対戦成績などからも、予測できる。

ただ、予測は予測に過ぎないため、結果がどうなるかは、基本的には、やってみないとわからない。

それでも、実力差やこれまでの戦績で、明らかに差がついているときがある。その時は、事前に予測すると、たいていの場合は、予測通りに終わる。

だが、まれに、その予測が外れることがある。

その時は、驚きとともに、予想が外れた理由を、「様々なif」を想定して考える。

その「様々なif」が、意図したものにせよ、意図せざるものだったにせよ、普通では考えられない偶然の積み重ねだった場合、それは、「奇跡」、と呼ばれるだけの資格を持つ。

2.過去の「○○の奇跡」の例

日本のサッカー史での奇跡と言えば、

ベルリンの奇跡」(1936年)と「マイアミの奇跡」(1996年)

があげられる。

「サッカー 奇跡」で、https://www.bing.com/検索
(参照2018-06-24)

いずれも、当時の世界の強豪相手に、格下と思われていた日本チームが勝利した「奇跡」だ。

地名+奇跡」で、どの試合のことを言っているのか、多くの人は、説明なしに分かっている。それだけのインパクトがあり、記憶に残った試合だと言える。

他には、サッカー以外では、ラグビーの2015年W杯日本対南アフリカ戦もまた、最大の番狂わせと言われる、奇跡の勝利だった。この試合も、「ブライトンの奇跡」と呼ばれているようだ。

ラグビーの2015年W杯日本対南アフリカ戦については、当ブログ記事→
ラグビー未経験者が2015年W杯南ア戦のすごさをいかに初心者に伝えたか
(参照2018-06-24)

3.「○○の奇跡」の限界

だが、以上に取り上げた「奇跡」には、ある共通点がある。

それは、そのあとの試合、あるいは、予選リーグで敗退し、優勝できなかったという結果である。

ベルリンの奇跡」では、勝った次の準々決勝で大敗し、敗退。

マイアミの奇跡」では、予選リーグで2勝したものの敗退。

ブライトンの奇跡」では、予選リーグで3勝したものの敗退。

これらはいずれも、せっかくの「奇跡の勝利」を、更なる上を目指す勝利につなげられなかったことになる。

一方で、後者の二つの奇跡については、奇跡を相手チームに献上したチームが、予選リーグを勝ち抜いて決勝トーナメントへ進出している。

言ってみれば、仮に「奇跡の勝利」の後も勝ち続ければ、それは奇跡なんかではなく、実力で勝ったことの証明になる。だが、そのあとに敗退したことによって、その前の「奇跡の勝利」が、「やっぱり奇跡的だったんだ」と、納得させるものになる。

つまり、「奇跡の勝利」後に敗退したことこそが、その勝利を「奇跡」だと裏付けることになり、「○○の奇跡」とは、そのあと敗退した事実を伴う現象であり、限界でもある。

4.今回は「サランスクの奇跡」なのか

この記事を書いている現時点では、まだ予選1試合目が終わっただけだ。(2018/06/24現在)。

グループリーグをどのチームが勝ちぬけるかは、未定だ。

仮に、日本が勝ち抜け、コロンビアが敗退した場合、「サランスクの奇跡」の奇跡の価値は下がる。奇跡などではなく、事前に予測していた実力差の修正、つまり、「(今大会に限れば)日本が強く、コロンビアが弱かった」、となる。

逆に、日本が敗退し、コロンビアが勝ち抜けた場合、「サランスクの奇跡」の奇跡の価値は上がる。事前に予測していた通り、実際には「日本はコロンビアより弱い」のであり、それなのに日本がコロンビア戦で勝ったことは「奇跡」としか言いようがない、となるからだ。

以上のような「奇跡」の仕組みを考えたとき、「サランクスの奇跡」が、今後定着するのかしないのか。

今後の試合結果に注目したい。

 

まとめ
  • スポーツにおける「○○の奇跡」
  • 「○○の奇跡」は「その後の敗退」とセットになる場合
  • 「サランクスの奇跡」が定着することの是非

 

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