(番外編)「はだかのあべ様」(森友問題バージョン)

架空小説「仮名手本森友学園」

「仮名手本森友学園」は、実際に起こった出来事を元に脚色されたドラマであるが、「幕府」の追及から逃れるために、登場人物や時代背景を架空のものにしてあるということになっている。

「仮名手本森友学園」には、さまざまな物語の影響を受けた跡がうかがえ、今後の研究が期待されている。

その一方で、本編には採用されなかったものの、童話「はだかの王様」を基にしたと思われる、仮名手本森友学園にまつわる話を、偶然発掘したので、紹介したい。

はだかのあべ様(森友問題バージョン)

むかしむかし、渋谷の富ヶ谷に王さまが住んでいました。

王さまはぴっかぴかの右翼思想ごっこが大好きで、交際費ばかりにお金を使っていました。王さまののぞむことといったら、いつも威勢のいい言葉を吐いて、みんなにいいなぁと言われることでした。読書なんてきらいだし、討論だって面白くありません。だって、威勢のいい言葉を吐ければそれでいいんですから。朝日新聞に対してだったらなおさらです。一時間ごとに「ウソの新聞」、「従軍慰安婦」、「吉田証言」とお馴染みのネタを繰り返して、みんなに見せびらかすのでした。

ふつう、秘書官に王さまはどこにいるのですか、と聞くと、「王さまは官邸か公邸にいらっしゃいます。」と言うものですが、ここの王さまはちがいます。「王さまはゴルフ場か私邸にいらっしゃいます。」と言うのです。

渋谷はとても大きな町で、日本中のあちこちから知らない人が毎日、おおぜいやって来ます。

ある日、二人のさぎ師夫妻が町にやって来ました。二人は人々に、自分は愛国者だとウソをつきました。それも世界でいちばんの安倍夫妻の支持者だと言いはり、人々に信じこませてしまいました。

「教育勅語を暗唱させているように見えるけど、この幼稚園はとくべつなのです。」とさぎ師は言います。「教育勅語を読めない、バカな人には入れない幼稚園なのです。」

その話を聞いた人々はたいそうおどろきました。たいへんなうわさになって、たちまちこのめずらしい幼稚園の話は王さまの耳にも入りました。

「そんな幼稚園があるのか。わくわくするわい。」と、右翼ごっこが大好きな王さまは思いました。「もしわしがその幼稚園で講演すれば、けらいの中から教育勅語を読めない、バカな人間が見つけられるだろう。それで幼稚園に入れるかしこいものばかり集めれば、この国ももっとにぎやかになるにちがいない。さっそくこの幼稚園で小学校を作らせよう。」

王さまは100万円を用意し、詐欺師にわたしました。このお金ですぐにでも小学校を作ってくれ、とたのみました。詐欺師はよろこんで引き受けました。

「安倍晋三記念小学校設立準備室」を作って、すぐに仕事にとりかかりました。でも、小学校を立てる具体的な計画は何もありませんでした。土地もありません。それでも、詐欺師は足りない分と称していっしょうけんめい寄付を募ってました。いいえ、ちがうのです。ほんとうは資金なんてどこにもなくて、ほとんどを当てのない寄附金で埋めようとしているだけなのです。

ある日、土地を買えるお金がないので豊中の国有地を借りて小学校を作りたい、と王様夫人に言いました。そのおかげで、のぞみどおり土地が借りれるようになりましたが、その賃料に納得せず、もっと賃料を下げろと要求しました。何度も交渉し、役人にコースターを投げつけたりもしました。

しばらくすると王さまは、ほんとうに仕事がはかどっているのか知りたくなってきました。自分が見に行ってたしかめてもいいのですが、もし幼稚園に入れなかったらどうしようと思いました。自分は教育勅語を暗唱できないバカだということになるのですから。でも王さまは王さまです。何よりも強いのですから、こんな幼稚園にこわがることはありません。でもやっぱり、自分が行く気にはなれませんでした。

そこで、王さまは安保法制審議で国会が忙しいのにかかわらず、大阪に行く用事を無理やり作り、その前後に、妻に行かせることにしました。妻に幼稚園がどうなっているかを教えてもらおうというのです。このころには町の人はみんな、王さまが作らせている小学校がめずらしい小学校だということを知っていました。だから、みんなは近所の人がどんなにバカなのかとても知りたくなっていました。

そこで王さまは、夫人を向かわせることにしました。この夫人は、王さまと同じぐらいの頭のできなので、夫人が幼稚園に入れれば自分も入ることができるだろうと思ったからです。向かわせるのにこれほどぴったりの人はいません。

人のよい夫人は王さまに言われて、さぎ師の幼稚園へ向かいました。さぎ師が園児に教育勅語を暗唱させている部屋に入りました。
「神さま、助けてください!」といのりながら、両目を大きく見開きました。けれども、幼稚園児が何を言っているのかわかりません。旧仮名遣いが理解できないからです。
「ど、どういうことじゃ!?」と思わず口に出しそうになりましたが、口にはしませんでした。
そのとき、「アキエさん、」とさぎ師が声をかけました。「どうです? もっと近づいてよく聞いてください。この奉読、いろいろな技術が使われていてすごいですし、この読み方だって美しくて、思わずうなってしまいそうでしょう?」

さぎ師はそう言って、暗唱する幼稚園児たちをゆびさしました。夫人はなんとかして意味を理解しようとしましたが、どうやってもわかりません。だって、そこには教育的な価値はほんとうに何もないんですから。

「大変なことじゃ。」と夫人は思いました。自分はバカなのだろうか、と首をかしげました。でもそう思いたくありませんでした。夫人はまわりを見まわしました。二人のさぎ師がいるだけです。よいことに、夫人付きは席を外しており、まだ私が教育勅語を理解できない、ということを誰も気がついていません。『わからない』、と言わなければ誰も気づかないのですから。

「あのぅ、どうして何もおっしゃらないんですか?」と、さぎ師の片われがたずねました。もう一人のさぎ師はちらちらと教育勅語の書かれた紙をカンニングしながらいっしょうけんめい聞いているふりをしています。

急に言われて、夫人はあわてました。「あ・・・ふぅん。とてもきれいで、たいそう美しいもんじゃなぁ。」夫人は、意味も分からず暗唱している園児をじっくり見ました。

「いい土地ですから前に進めてください。」

「その言葉を聞けて、ありがたきしあわせです。」二人のさぎ師が口をそろえて言いました。「では、王さまにもっと知っていただくために、教育方針についてこまかく説明いたしましょう。」

さぎ師は園児の前でしゃべりはじめました。「教育勅語の奉唱」「軍歌・戦時歌謡の類の斉唱」「伊勢神宮参拝旅行」「自衛隊行事への参加」。ことこまやかに言うのです。先ほどまで席を外していて戻ってきた夫人付きはその説明を一言ももらさず聞き入っていました。なぜなら、夫人付きは王様付きの上司のイマイにもう一度同じことをまちがえずに伝えなければならないからです。もしここで一言でもまちがえようものなら、あとで王さまがほんものを見たときに夫人が「教育勅語を理解できなかった」と気づいてしまいます。だから夫人付きは聞いたことをそのままイマイに言いました。

夫人が帰るとき、さぎ師たちはもっと土地の賃料を下げてほしいと言いました。小学校を作るためにひつようだと言うので、すぐに本省理財局に連絡しました。でもやはり、表向きはゼロ回答でした。だけど何もなかったかのように、裏では、2015年の土壌改良工事で埋め戻したゴミを利用して、3mから9.8mまでに存在する混在したゴミというストーリーを作って、9億5千万円の土地を1億3千万円で買えるようにし、公開が原則の価格も非公表にしました。

それからまもなく、大阪府の親分が役人をさぎ師のところに向かわせました。これも根のまっすぐな役人でした。役人の仕事は、小学校建設計画のはかどりぐあいと完成する日にちをしらべてくることでした。しかし、役人も夫人と同じように、見えたのはからっぽの設置計画書でした。なんどもなんども見ましたが、どうしてもからっぽにしか見えませんでした。

「どうなされたのですか? もしかして、お気にめさないとか・・・」二人のさぎ師は不安そうにたずねました。そして何もないはずの小学校の建設資金をまるであるかのように見せびらかせました。
「ほら、この王さまのえらさにぴったりのこの安倍晋三記念小学校の名称、・・・どうでしょうか?」

さぎ師は言いますが、根拠となる設立資金はどこにもありません。
役人は思いました。
「わたしはバカではない。自分にふさわしくない仕事をしているだけだ。そうだ、バカではない。おそらく、この小学校はとてもふうがわりなのだろう。しかし、このことを、だれにも知られてはならないのだ・・・」

役人は少し考えてから、言いました。見えない建設資金をあたかも見えているように。
「たいへんみごとな計画だ! 維新にふさわしい・・・。教育方針ももうしぶんない。わたしはこんな小学校計画を見られてとてもうれしいよ!」

そうして大阪城に帰った役人は親分に向かってこう言いました。
「たいへんけっこうなものでした。」

しかしある日、朝日新聞が、土地価格が近隣と比べて1割程度だと、すっぱ抜きました。

街はそのめずらしい小学校のうわさでもちきりでした。うわさがどんどんもり上がっていくうちに、王さまも自分でしゃべりたくなってきました。日に日にその思いは強くなり、ついに、

「繰り返しになりますが、私や妻が関係していたということになれば、まさに私は、それはもう間違いなく総理大臣も国会議員もやめるということははっきりと申し上げておきたい。」

と言い切りました。

とはいうものの、王さまは急に不安になり、いてもたってもいられなくなって、たくさんの役人に、どうなっているのか、と報告を求めました。たくさんの役人の中には、佐川理財局長や太田総括審議官、中村総務課長もふくまれていました。

役人が決裁文書を確認すると、近畿財務局の職員が政治家の問い合わせに対していっしょうけんめいに応じていたことが分かりました。職員は、本省理財局からの指示もあって、まじめに仕事をしていました。決裁文書には、

「本件は、平成25年8月、鴻池祥肇議員(参・自・兵庫)から近畿局への陳情案件」
「夫人からは『いい土地ですから、前に進めてください』とのお言葉をいただいた」
「超党派による「日本会議国会議員懇談会」が平成9年5月に設立され、現在、役員には、特別顧問として麻生太郎財務大臣、会長に平沼赳夫議員、副会長に安倍晋三総理」

とか、いろいろ書いてありました

そして、役人は、「決裁文書に政治家が関与している記述がある」と、王さまに報告しました。役人は、いくら王さまでも決裁文書に書いてあることは認めると思っていたからです。

でも・・・
「なんだこれは? 何もないじゃないか。」と、王さまは言いました。
王さまは自分がバカかもしれないと思うと、だんだんこわくなってきました。また、王さまにふさわしくないかと考えると、おそろしくもなってきました。王さまのいちばんおそれていたことでした。王さまが王さまでなくなるなんて、たえられなかったのです。

だから、王さまは役人たちを見て言いました。
「まさしくそうであるな。この決裁文書に政治家の関与が何も書かれていないのは、わたしもみとめるところであるぞ。」
王さまはまんぞくそうにうなずいて、からっぽの紙に目を向けました。本物の決裁文書を見たということを知られたくなかったので、エアー決裁文書があるかのように王さまは見つめました。同じように、役人たちもエアー決裁文書を見つめました。王さまが見ているよりももっと見ようとしました。でもやっぱり、何も見えてはいませんでした。

「政治家の関与はない。」
役人たちは口々に言いました。
「王さま、このりっぱな決裁文書を、ちかぢか行われる国会のときに公開になってはどうでしょう。」
と、誰かが王さまに言いました。そのあと、みんなが「これは王さまにふさわしい決裁文書だ!」とほめるものですから、王さまも役人たちもうれしくなって、大さんせいでした。そして王さまは、改ざんをした役人を『適材適所』と呼ばせることにしました。

国会の行われる前日の晩のこと、役人たちは働いているように見せかけようと、財務省理財局の部屋と、近畿財務局の部屋の明かりをともしていました。人々は役所の外からそのようすを見て、年度末でいそがしいんだ、と思わずにはいられませんでした。でも、本当にやっていたのは公文書の改ざんという、歴史への犯罪ともいえる行為だったのです。

役人はまず、本省決済の「特例承認の決裁文書」を改ざんしました。続いて政治家の名前や特例であることを消すために、「売払決議書」・「貸付決議書」を改ざん、さらにそのつじつまを合わせれるために改ざんしたものも含めて、計14の文書を改ざんし、本省理財局から近畿財務局に指示を出した文書メモを抜き取りました。

「たった今、王さまの新しい決裁文書ができあがったぞ!」
王さまと大臣全員が大広間に集まりました。佐川はあたかも政治家の関与がなく、適正な取引であったかように、両手を挙げてひとつひとつ見せびらかせました。
「まず、おっしゃる意味は定かではありませんが、適正に処理されております」
「そして、保存期間1年未満の文書は契約終了後、速やかに破棄されています」
「最後に、データは消去され、復元できない仕組みになっております」
佐川は言葉をまくしたてました。
「これらの決裁文書はクモの巣と同じくらいかるくできあがっております。何も身につけていないように感じる方もおられるでしょうが、それがこの決裁文書がすべてで、経緯がまとめてあるといういわれなのです。」

「まさしくその通りだ!」大臣はみんな声をそろえました。でもみんな何も見えませんでした。もともとそこには何もないんですから。

「どうか王さま、ただいまおめしになっている服をおぬぎになって下さいませんか?」
佐川は言いました。
「よろしければ、大きなかがみの前で王さまのお着がえをお手伝いしたいのです。」
王さまはさっそく服をぬぎました。5人の首相補佐官はあれやこれやと新しい服を着つけるふりをしました。着つけおわると、王さまはあちこちからかがみにうつる自分を見ました。
「何と美しい! ……よくおにあいです!」
その場にいただれもがそう言いました。
「この世のものとは思えなく美しい記述、言いあらわしようのない内容、すばらしい、りっぱな決裁文書だ!」と、みんなほめたたえるのでした。

そのとき、国会の進行役がやって来て、王さまに言いました。「国会で、与野党協議の結果、予算委員会の集中審議の準備できました。かつぐ者たちも外でいまやいまやと待っております。」
「うむ、集中審議は勘弁。」と、王さまは進行役に答えました。
この発言を進行役がマスコミに披露すると、王様はそんな発言をしていないと、言い訳しました。なぜなら王さまには国会での説明責任があり、憲法で明記されているのですから。
お付きのめしつかいは、あったことをなかったことにしなければなりませんでした。地面に両手をのばして、何かをかかえているようなふりをしました。やはりめしつかいも王さまがウソをついていることを知られたくなかったので、自分がウソをついたことをしているのでした。

王さまはきらびやかなてんがいの下、どうどうと行進していました。人々は通りやまどから王さまを見ていて、みんなこんなふうにさけんでいました。「ひゃぁ、新しい王さまの決裁文書はなんてめずらしいんでしょう! それにあの30年保存と言ったら! 本当によくおにあいだこと!」
だれも自分が見えないと言うことを気づかれないようにしていました。自分は、バカだとかいうことを知られたくなかったのです。ですから、今までこれほどひょうばんのいい決裁文書はありませんでした。

「でも、王さま、書き換えられているよ。」

とつぜん、朝日新聞が王さまに向かって言いました。

「王さま、はだかだよ。」
「……なんてこった! ちょっと聞いておくれ、むじゃきな朝日新聞の言うことなんだ。」

横にいたアッキード民が、朝日の言うことを聞いてさけびました。そして人づたいに朝日の言った言葉がどんどん、ひそひそとつたわっていきました。

「王さまははだかだぞ!」

ついに一人残らず、こうさけぶようになってしまいました。

王さまは大弱りでした。王さまだってみんなの言うことが正しいと思ったからです。でも、「いまさらこんな人たちに負けるわけにはいかない。」と思ったので、そのまま、今まで以上にもったいぶって歩きました。めしつかいはしかたなく、ありもしないすそを持ちつづけて王さまのあとを歩いていきましたとさ。

(おしまい)

主な参照先は、
ハンス・クリスチャン・アンデルセン Hans Christian Andersen、大久保ゆう訳、”はだかの王さま The Emperor’s New Suit”、1999年12月24日初訳
2007年5月19日作成。
http://www.alz.jp/221b/aozora/the_emperors_new_suit.html
(参照2018-08-29)
[著作権上の問題点は、リンク先で、「クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの下でライセンスされています。」、「上記のライセンスに従って、訳者に無断で自由に利用・複製・再配布することができます」とあり、クリアされています。この場を借りて、「無断で」翻訳者の方に謝辞を申し上げます。]

基本的な森友問題の内容については、
当ブログカテゴリー:架空小説「森友学園」「森友問題」考察

学校法人森友学園 塚本幼稚園幼児教育学園、籠池町浪、”塚本幼稚園は生まれ変わります。”、平成29年6月。
https://www.tukamotoyouchien.ed.jp/weblog/平成29年6月/
(参照2018-08-29)

朝日新聞デジタル、明楽麻子、”自民・河村氏、「集中審議は勘弁」の首相発言紹介を撤回”、2018年6月21日20時25分。
https://www.asahi.com/articles/ASL6P5DGHL6PUTFK00N.html
(参照2018-08-29)

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