(番外編)時系列の要点整理と考察(その3)

架空小説「仮名手本森友学園」

架空小説「仮名手本森友学園」では、様々な証言と証拠が飛び出す。

中には、ミスリードを意図するかのような真偽不明のものが入り混じるので、矛盾点が出てややこしい。

そんな混乱を整理するため、ネット等で得られた情報のみによる、簡易的な時系列の要点整理と考察を試みたメモを発見したので、先に紹介した(その1)(その2)に引き続き紹介したい。

(しつこいようですが、すべて架空の背景・団体・人物名です。肩書は当時。敬称略。初出は「にちゃんねる」で、多少修正されている模様。旬を過ぎてわかりにくいものや、あとから出た事実によって真偽が怪しくなったものもあります。また、簡易的なメモのため、名称等を簡略化してます。)

以下、2017/12/20から2018/01/27までに行われた過去の考察。

架空小説「仮名手本森友学園」

[公開:2018/01/27、更新:2018/02/09]

目次(ページ内リンク)

情報の時系列の整理と考察

2015/06月~2016/04月「情報公開請求開示文書等について財務省よりヒアリング」(2018/01/26立憲民主党森友・加計学園問題PT(第9回))

[初出:2018/01/27、更新:2018/01/28]

立民PT(2018/01/26)で分かったことの整理

財務省の言い分

新たに出てきた経緯
以前に出したのは、2017年3月に「国有地売り払いに関する行政文書」の開示請求を受けて開示したもの。(佐川「交渉記録はすべて破棄した」)

2017年9月に、同じ請求者から、「近畿財務局内で作成した文書等」の開示請求を受けて、管財部内だけでなく、局内調べたら、別部門の法務部門に法律相談の記録が出てきたので、新たに開示。(財務省「交渉記録には当たらない」)

新たに開示したのは5種類
2015年6月、8月、12月1日、3月24日、4月22日。

12月1日の分だけ、法務部門の回答がついていないが、請求期間外だったので、つけていないだけで、存在する。(「それも出すのが当然だろう」という声に)対応したい。

12月1日の「売買金額についてはできるだけ、学園法人との事前調整に勤めることにする」。これは賃貸契約の買受特約で、将来、そういったことが行われる時の、リーガル上の質問。ゴミが出る前のもの。実現しなかったので、別のもの。

Q&A
・会計検査院に見せているのか?
「報告が出る前に出させていただいている」
(注:福山(立民)の国会質問(2018/01/27)「会計検査院に確認したところ、参議院議長に報告する、なんと前日に、財務省から当該記録があったとの連絡が入ったそうです。」)

・佐川が「資料はない」と言ったのは何のことか?
「経緯は売り払いの決議書(30年保存)に集約してあり、個別のものは1年未満で廃棄したということ。佐川が言っていたのは、応接メモのことで、整合性は取れている」

・それ以外には、文書はあるのか?
「去年の通常国会で出させていただいたのがだいたい4500ページ。管財部にあるものはすべて出させていただいている」

・今回の74ページ以外にも全部で2000ページぐらいあると聞いているが?
「近畿財務局全部を調査して、法務部門にあるのが分かった。今回は請求期間に限って74ページ。期間を広げればさらにあるという意味であと2000ページぐらい。あと、会計課の支出証拠書類に森友学園に関する資料があり、それは開示させていただいている。それ以外にはもうないだろう」

(おまけのみどころ)
・司会の川内が「今日は財務省からトヤマさん、」と紹介した後、富山財務省理財局次長が「財務省のトミヤマと申します」と何事もなかったように挨拶してから説明を始めるところ。

・値引きの決裁権者を聞かれて、富山「去年の3/24国会で、当時の前理財局長の迫田は『報告を受けていない』と答弁している」と答えた後、川内から何か言われて、10秒間ほど「え、あの、えー、あの、え、あの、あー、」としどろもどろになるところ。

・山本わかこ議員の大野秘書が加計問題の年表を作成したらしい(1955年~)

(感想)

先日、「毎日新聞の公開請求が上手かったから出てきた」と予測したが、財務省は毎日の請求に言及せず。ただ、毎日が引き出した文書が、2016年の3/24、4/22、5/19の3日間の分で、上記と比べれば、5/19が毎日の独自スクープで、かつ、報道が早かったことを考えれば、毎日の請求がきっかけになったという推定を変えるには至らず。

[2018-02-09修正(打消し線)、以下追記]上記の点で、「5/19が毎日の独自スクープ」だとしたが、上記の財務省公開の4/22の照会に対する回答に5/19の文書が付いていたことが判明。ただし、報道が早かった事実はあるので、「毎日の請求がきっかけになった」推定は変えずにおく。→
「森友問題」で今日分かったことのまとめと考察(2018/02/09)
(参照2018-02-09)[以上追記終わり]

12月1日の文書の件だが、「事前調整」を、「賃貸からの将来の買受特約の話で、ごみが出る前の話で、売却とは別物」(財務省)。
この点だが、買受特約が付いているのは契約した時(2015/05/29)に分かっていること。契約前に詰めておくのが当たり前なのに、なぜ契約した半年後に、しかも「10年後に「時価」での買受できることになっている特約」の手続きの話をするのか。明らかに不自然。
この文書のみ回答書が付いていない点も含めて、疑ってくださいと言っているようなもの。なぜ、この時期に相談したのかを財務省は説明するべき。

また、「管財部を全部調べたからもうない」(1回目)→「近畿財務局を全部調べたからもうない」(2回目)ということは、まだ財務省本省は調べていないということ。

そうなると、昭恵夫人付き官邸職員が財務省本省に問い合わせた件、いわゆる、谷FAX(「たまたま」個人が残していたけど、行政文書としては残っていない文書)は、室長の田村がこの件で法務部門に照会していたのなら、本省の「相談記録」「照会票」(5年保存)には記録が残っていることになる。(本省と近畿財務局の「相談記録」は別文書で別の場所に保存)。

田村には、この件で、法務部門に照会したのかどうかをまず確認し、照会していたら、本省の「相談記録」等の行政文書を開示させ、もし照会していなかったら、何を根拠に谷に回答したのかを説明させるべき。

財務省は、これまでの開示請求に対し、
「売買ではなく借り受けなので該当しない」
「部局が違うので該当しない」
「請求期間に含まれないので該当しない」
などと言って、不誠実極まりない。
このせいで、漏れいている行政文書はまだまだあるだろう。(開示請求をするグループの労苦には頭が下がる)。

リーダーシップを持っているのなら、首相と財務相は、この点で丁寧な説明などではなく、「関連する記録はすべて出せ」と命じ、行動で示すべきだ。
これは、過去に行われた犯罪ではなく、現在進行中の隠蔽という犯罪である。

あと、話は変わるが、今回、理財局次長が迫田の名前を出した直後に、しどろもどろになるシーンに苦笑。

佐川も含め、理財局の人間は迫田に呪いでもかけられているのか。

(参考文献)

IWJ、”【Ch6】14:00~「立憲民主党 森友・加計学園問題PT(第9回)
―情報公開請求開示文書等について財務省よりヒアリング」”、2018.01.26.14:00~
https://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=6(配信終了)
(参照2018-01-27、配信終了)

IWJ、”逢坂誠二議員「なぜ今出てきたんだ」「財務省はきちんとした対応を」~森友学園問題の情報開示請求開示文書を受け立憲民主党議員らが財務省を追及!――財務省は不誠実な回答を連発!! 2018.1.26”、2018.1.26。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/410456
(ハイライト動画。全編は有料)

立憲民主党ホームページ、NEWS、”参院本会議で福山幹事長が代表質問”、2018年1月26日(金)。
https://cdp-japan.jp/news/988
(参照2018-01-27)

仮名手本森友学園
仮名手本森友学園「15.つじつま合わせのお仕事」

2016/03~05月「近畿財務局作成照会票・相談記録」(2018/01/20毎日新聞朝刊)

[初出:2018/01/21、更新:2018/01/25]

毎日新聞のスクープ「財務局が学園との交渉記録文書を残していた」の整理

今回開示された文書
近畿財務局が2016年3~5月に作成した「照会票」と「相談記録」。
売却担当者の池田が法務担当者に質問して回答を受けたやり取り。
(つまり、近畿財務局内部でのやり取り)。

時系列の整理(抜粋)

2016/03/15「財務省本省へ陳情」(録音データ)
籠池夫妻・財務省(田村ほか)

2016/03/16「反省しているの?」「僕ですか?」(録音データ)
籠池夫妻・財務省近畿財務局(池田)・国交省大阪航空局

2016/03/24「S井・池田の価格交渉」
2016/03/24「池田→財務局法務担当者に相談」(開示文書) New!

2016/03/下旬「3mより下にゴミがストーリー」口裏合わせ(録音データ)
籠池夫妻・S井弁護士・近畿財務局池田・大阪航空局・F原工業・Kアラ

2016/04/01「近畿財務局池田からのありがとうメール」
近畿財務局池田→S井・F原工業・Kアラ

2016/04/22「価格が折り合えば、損害賠償請求はしない」(開示文書) ←New!
S井→財務局に提案があったことを記載

2016/05/18「近財池田との値引き交渉」(録音データ)
籠池夫妻・近畿財務局池田・三好・in塚本幼稚園

2016/05/19「廃棄物は可能な限り列挙を」(開示文書) ←New!
法務担当者→池田にアドバイス

2016/06/06 S井→籠池「内緒だが局長の移動」あるからメール

2016/06/20売買契約

(感想)
直接の交渉記録でなく、内部での交渉記録に目をつけて、森友学園と財務局との交渉経過の記録を発掘した毎日新聞は上手い。
(連載記事「公文書クライシス」をやっているように、毎日には行政文書に詳しい人がいるようだ)。

他社や他のグループからの請求で出てこなかったのは、おそらく、毎日は、「照会票」「相談記録」等を指定して公開請求したのではないか。
「照会票」「相談記録」は保存期間が5年なので勝手に廃棄できない。
(といっても、本来なら、「学園との面談記録に関する行政文書」を請求した時に、この文書を公開するのが当然で、隠したことが財務省の犯罪に等しい行為なのだが)。

外部との交渉記録は廃棄したけど、内部での相談記録は勝手に破棄できないという皮肉。
会計検査院に「根拠不十分」と指摘されているのだから、財務省は、この発掘された内部資料を基にして、根拠と言える資料を復元させるべき(できるものなら)。

今回の記事は、これまでのリーク情報を裏付けるもの。
新情報と言えるほどではないが、行政文書で裏付けられた点は大きい。
(少なくとも、「相手が勝手に録音して切り取られたもの」などとの言い訳は通用しない。)

気になったのは、毎日の記事で、2016/03/24「値引きして売却することを『資料次第で可能』と記載」の点。
この流れで、3月下旬の「口裏あわせストーリー」へ行くので矛盾はないのだが、3/24は「S井・池田の価格交渉」の当日。
ひょっとしたら、財務局の法務担当者も同席していた可能性が。

一連の流れでは、3/24だけが音声データの流出がないので、関係者の証言が待たれる。

(参考文献)
毎日新聞ニュースサイト、”近畿財務局
森友交渉の文書開示 内部で検討の詳細な記録”、毎日新聞2018年1月20日 07時00分(最終更新 1月20日 07時00分)。
http://mainichi.jp/articles/20180120/k00/00m/040/188000c
(参照2018-01-25)

2016/03/下旬「「森友」協議 音声データ詳報」(2017/12/20東京新聞朝刊)

[初出:2017/12/21、更新:2018/01/25]

12/20東京新聞朝刊の音声データ詳細記事でわかったこと

・「3月下旬の口裏合わせの録音時期がある程度絞られた」
特別国会で政府側がいきなり主張しだした「3月下旬から4月にかけてのもの」が、4月はなく、かつ3/24「池田とS井の価格交渉」より後の3月下旬の時期だと判明。

・「FNN関テレ以外に音声データの入手経路がある」
この音声が公開された時系列は
09/11関テレ「報道ランナー」で一部公開
11/30ANN「報道ステーション」で菅野提供で一部公開(関テレと同内容で新事実なし)
12/20「東京新聞朝刊」菅野提供で協議の詳細記事(関テレで報じられなかったやり取りもあり)

(感想)
今回の記事は、
詳しく追っている人→「関テレで報道された内容の延長」
森友問題を気にしている人→「新情報らしいけどいろいろありすぎてよく分からない」
といった感じで、わかりやすい事実が出たわけでないのであまり盛り上がってない印象。
個人的には、こういった情報が出るだけでいろいろ考察できるので、情報公開にはただ感謝。

音声データの詳細が出たことで、理財局太田「一部を切り取られたもの」の言い訳が通用しなったことが収穫。(ただし、「相手側が勝手に」の言い訳は続けるだろうが。)
関テレが拒み続けた音声データの全編の公開も、関テレ以外に期待できるようになったことも収穫。
(余談だが、今回の東京新聞の記事では、ちゃんと当時の顧問弁護士に取材済み。関テレがなぜか言及しなかったS井弁護士に。)

少し意外だったのが、2015年の有益費についての直接的なやり取りがないこと。
国側が「3mより下」にこだわる理由であり、S井弁護士とF原工業がこだわらない理由である、2015年の有益費(2015/9/4のゴミ埋め戻しの打合せ)の問題。
この点については参加者が全員、前提としているかのようだ。

今回の記事でわかったように、3/24「池田とS井の価格交渉」がこの協議の前に行われていたので、ここで、2015年有益費の件を利用した打ち合わせは済んでいたと推測。

3/24「池田とS井の価格交渉」の公開にも期待したい。

(参考文献)
東京新聞(TOKYO Web)。”「森友」協議 音声データ詳報”。2017年12月20日 朝刊。http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201712/CK2017122002000124.html
(参照2018-01-25)

2017/02/17「私や私の妻がかかわっていたら辞める」予算委員会

[初出:2017/12/20、更新:2018/01/25]

2017/02/17の予算委員会のこの答弁は、いろんな人が森友問題が変質した「きっかけ」として捉えているけど、この日の委員会メンバーを見返すと感慨深いものがある。

答弁者に
安倍・麻生・金田・稲田・山本幸三ら

政府参考人に
佐川(理財局長)・前川喜平(前文部科学事務次官)ら

質問者に
自民党2名
・大串正樹(のちに経産省政務官(中川俊直の後任))
・豊田真由子(→無所属、落選)
公明党
・伊佐進一
民進党7名
・長妻昭(→立民)
・山尾志桜里(→無所属、立民)
・大西健介(→希望)
・辻元清美(→立民)
・後藤祐一(→希望)
・玉木雄一郎(→希望)
・福島伸享(→希望、落選)
共産党2名
・藤野保史
・本村伸子
日本維新の会2名
・吉田豊史(→落選)
・小沢鋭仁(→希望、落選)

質問者の半分が、10ヵ月後に党の所属が代わったり議員じゃなくなっている。
2017年の顔の1人である、豊田真由子をはじめ、今年いろいろあった人たちばかり。

共産党は特に何もなかったと思っていたら、この日の共産党本村の質問が
「リニア事業で国が特別に一私企業に巨額融資をする問題」
で、2017年年末に談合事件が取り上げられて、まさかの注目。

参考人に前川さんがいたのも偶然とはいえ驚き(この時は天下り問題の参考人)。

ある意味、2017/02/17は特異日。
このメンバーだけで2017年を振り返る番組が作れそうだ。

(参考文献)

国会議事録検索システム、”第193回国会衆議院予算委員会議録 第12号”、平成29年02月17日開会。http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/193/0018/19302170018012.pdf
(参照2018-01-25)

仮名手本森友学園
仮名手本森友学園「17.問われる資質(2017年2月17日午前)」
仮名手本森友学園「18.問われる資質(2017年2月17日午後)」

2017/12/20から2018/01/27までの考察はここまで。

それ以降の考察は、掲載未定。(2018/01/27現在)

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