「森友問題」日テレNEWS24の「口裏合わせ」報道の考察(2018/04/07)

架空小説「仮名手本森友学園」

2018年4月4日、NHKで、

「財務省が森友学園側に口裏合わせ求めた疑い 国有地売却問題で」

が報道された。

NHK NEWS WEB 、”財務省が森友学園側に口裏合わせ求めた疑い 国有地売却問題で”、4月4日 19時21分。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180404/k10011390911000.html
(参照2018-04-06)

NHKの報道の翌日になってから、他の新聞社や報道局で、後追いのニュースが流れた。

後追いの中でも、新情報を含んでいたのが、日テレNEWS24で、

「財務省側が森友学園側に口裏合わせ依頼か」

のタイトルで報道されたが、このニュースの中には、NHKニュースでは報じられなかった、

去年2月17日、安倍首相が、「自分や妻が関与していたら辞職する」と発言した直後に、近畿財務局の職員が森友学園側に、「ごみの撤去費用は不明」などと記された書面を提示して、サインをするよう求めた。

という、2/20の口裏合わせを求めた前段の部分が、新事実として含まれていた。

日テレNEWS24、”財務省側が森友学園側に口裏合わせ依頼か”、2018年4月5日 11:56。
http://www.news24.jp/articles/2018/04/05/07389714.html
(参照2018-04-06)

この日テレニュースについて考察を試みたい。

1.2017年2月の森友問題の時系列

2017年2月の森友問題時系列

2017/02/08 木村真・豊中市議ら近畿財務局を提訴
2017/02/09 朝日新聞報道「価格非公表、近隣の1割か」
2017/02/10 財務省、国会議員に売却価格を開示
2017/02/15 国会初出(宮本岳志議員)
2017/02/17 国会。安倍「関わっていたら、首相も議員も辞める」
首相発言直後、近畿財務局→森友学園「ごみの撤去費用は不明」書面 ←(日テレ4/5報道)
2017/02/20 財務省理財局の職員が学園側に「口裏合わせ」の電話 ←(NHK4/4報道)
同日深夜から、籠池夫妻姿を消す
2017/02/22 菅官房長、財務省と国交省より説明を受ける
2017/02/24 国会。宮本岳志「2015年9月4日打合せ記録」を指摘

[2018/04/07時点]

<取材・文/菅野完>、ハーバービジネスオンライン、”政権の「佐川主犯」物語に終止符! 一年前のある発言から明らかになる「綻び」”、2018年03月18日。
https://hbol.jp/162275
(参照2018-04-07)

<取材・文/菅野完>、ハーバービジネスオンライン、”<森友問題>やはり改ざんは2月17日からだった!「酒井弁護士、あなたは嘘を“つかされて”いる」”、2018年04月05日。
https://hbol.jp/163322
(参照2018-04-07)

以上が去年2月の時系列である。

2.日テレNEWS24の「口裏合わせ」報道の考察

まず、日テレNEWS24の記述で引っかかるのは、

去年2月17日、安倍首相が、「自分や妻が関与していたら辞職する」と発言した直後に、近畿財務局の職員が森友学園側に、「ごみの撤去費用は不明」などと記された書面を提示して、サインをするよう求めた。
http://www.news24.jp/articles/2018/04/05/07389714.html
(参照2018-04-07)

の首相発言「直後」にサインを求めた、という流れである。

首相が上記の発言したのは、2/17の午後3時以降の予算委員会での民進党福島伸享氏の質問に対する答弁である。

http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/193/0018/19302170018012.pdf

「直後」という表現からは、物理的事実によるものか主観的表現によるものか、が、考察の対象になる。

仮に、物理的事実としての「直後」であったのなら、極端に言えば、首相が発言した「直後」に、書面を提示してサインを求めていることになるが、これは、「書面を作成する時間」と「森友学園側と面会する物理的距離」を全く考慮に入れていない。

首相の発言を受けてから、事態が動き出したとすれば、そこから書面を作成し、プリントアウトして、森友関係者と面会し、サインを求めることになるが、この手間をかけておきながら「直後」と客観的に呼ぶのは苦しい。すでに時間は経ってしまっている。

しかも2/17は金曜日であり、お互いが完全週休2日制を守っていたとしたら、実際にあったのは2日後の2/20の月曜日まで先延ばしになっていた可能性もあり、これを物理的表現として首相発言「直後」と呼ぶことは難しい。

その一方で、主観的事実の場合、発言後に事態が動き出したにしても、当事者として、あわただしく一直線に動いていたのなら、行き着いたときは「直後」と感じる。たとえ、客観的には時間が経っていたとしても、そのことに集中していた当事者にとっては、それを受けてたどり着いた「直後」だからだ。

つまり、日テレニュースの「直後」という記述は、

<物理的「直後」>の場合 と <主観的「直後」>の場合

と分けて考える必要がある。

3.「直後」という表現の考察

<物理的「直後」>の場合

この場合、首相発言との因果関係は考えなくてよいだろう。
本当に直後であるなら、すでに書面が用意されていて、森友側と面会中だったことになるからだ。

たまたま首相が発言した時間帯の直後に、近畿財務局の職員が森友学園側に書面の提示とサインを求めた、という事実があるだけだ。

仮にそうなら、因果関係がないのに、首相発言「直後」と表現した理由として考えられるのは、

「たまたま面会中サインを求められたときに、テレビかラジオが点いていて国会中継が流れていて、ちょうど首相発言が行われていた直後だったので、記憶に残っている」

という証言が得られた場合だ。それなら、因果関係は無くとも、発言「直後」という表現は記事として認められる。

そうでないのに、因果関係のない首相発言を記事に載せていたとしたら、それは、悪意のある誘導と言われても仕方がないだろう。

<主観的「直後」>の場合

この場合、「直後」こそが主観の人物にとっての理由づけになる。

「首相発言」こそが出発点であり、それを受けて始めた作業を休むことなく進めて到達した時点は、たとえ、物理的な時間が経っていたとしても、主観的な印象は「直後」になる。

仮にそうであれば、主観的な「直後」を感じるのは、実際に作業に関わった人物に限られることになる。つまりこの場合は、近畿財務局の職員、もしくはそれを命じた人物、である。

作業に関係した人物の証言であれば、首相発言の「直後」、という表現は、物理的「直後」を厳格に守る必要がない。

逆に言えば、「直後」という表現から、発言者の心理を読み取ることもできるのだ。

4.日テレNEWS24の「口裏合わせ」報道の情報源の考察

日テレニュースの「直後」という表現は、重要な意味を持つ。

その意味を考えたとき、結論から言うと、「直後」という表現を使った可能性が一番高いのは、

近畿財務局の職員、あるいはそれを命じたもの

だ。

上で述べたように、物理的事実として、首相発言「直後」という表現を使う可能性は少なく、因果関係なしに、この表現を取ることは何らかの意図がない限り使われにくい。つまり、主観的な意味で「直後」を使ったと考えるのが自然だ。

一方で、主観的表現の場合、他に考えられるのは、森友学園側だが、森友学園側にとって「首相発言」自体は重要な発言ではあるが、森友学園側の主観を理由づけるものとしては、今一つ弱い。というのも、首相発言が直撃したのは財務省であり、そのあとに森友学園側がサインを求められたにしても、それは余波に過ぎない。

森友学園側にとっては、「あべしゅしょーがんばれ」、「いちゃもん」、「ちょんぼ」等の報道の方が心当たりが強かったと予想されるからだ。首相発言後のタイミングだったとしても、その場合は、「そういえばあの答弁の後」と言った表現に収まり、より強い表現の「直後」という言葉は使わない可能性が高い。

もちろん、森友学園側が「直後」と証言した可能性もありうる。財務省側からいきさつを聞いて首相発言直後に状況が変わったことを知った可能性もあるからだ。

さらに当然、記者の国語力の問題の可能性や、あえてミスリードを起こさせようとしている可能性もゼロではない。

ただ、あくまで可能性としては、近畿財務局の職員、あるいは財務省理財局が「直後」と表現したと考えた確率が高い、という現時点での結論だ。

さらにいうと、日テレがその証言を得たのは、直接の関係者から、か、捜査関係者から、かまでは考察に至っていない。そこまで特定できるだけの情報は持っていない。

正直言って、これだけの情報では、不十分な考察しかできていないのは痛感している。

今後の情報を待ちたい。

過去の考察のカテゴリーはこちら→「森友問題」考察

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