2018年3月29日、日テレNEWS24の独自スクープ
「独自：“改ざん”佐川氏指示伺わせるメール」
が報道された。
日テレNEWS24、”独自：“改ざん”佐川氏指示伺わせるメール”、2018年3月29日 11:38。
http://www.news24.jp/articles/2018/03/29/07389168.html
（参照2018-03-29）
日テレニュースについては、3/5にも独自スクープをしており、これらの点を含めて、現時点での考察を試みたい。
[公開2018/03/29]
１．日テレNEWS24のスクープの評価
今回の日テレNEWS24のスクープ記事、
「独自：“改ざん”佐川氏指示伺わせるメール」
は、日テレ取材班による独自ニュースのようで、その取材力を評価したい。
記事によれば、
その中に残されたメールの中には、理財局から近畿財務局に改ざんを指示するメールがそのまま残されており、佐川氏が指示したことをうかがわせる記述も含まれていたことが新たにわかった。
http://www.news24.jp/articles/2018/03/29/07389168.html
(参照2018-03-29）
で、関係者への取材を重ね、情報を手に入れたようだ。
また、一方で、日テレニュースは、3/5にも佐川氏について独自のニュース報道をしていた。
それが、
「森友文書」書き換え疑惑 佐川長官を直撃
である。
日テレNEWS24、”「森友文書」書き換え疑惑 佐川長官を直撃”、2018年3月5日 11:45。
http://www.news24.jp/articles/2018/03/05/04387199.html
（参照2018-03-29）
２．3/5の日テレNEWS24への違和感
日テレによる3/5の
「森友文書」書き換え疑惑 佐川長官を直撃
のニュースも、日テレ独自のもので、取材力を評価したい。
だが、この3/5のニュースについては、報道されたとき、不自然な印象があった。
それは、
- 雲隠れしていた佐川氏の居場所をつかんでいた
- 記者の問いかけが「書き換えを指示したという話がありますが事実でしょうか？」
の二点だ。
佐川氏の居場所については、国税庁長官に就任して以来、就任会見を開かずにいた経緯もあって、マスコミが取材を試みるものの、成功しなかった。
LITERA、”佐川宣寿国税庁長官がマスコミから身を隠しホテルに潜伏！ 納税者に正直申告を要求しながら逃げ回る卑怯ぶり”、2018.02.18。
http://lite-ra.com/2018/02/post-3810.html
(参照2018-03-29)
そんな中、日テレは、佐川氏を映像に捉えることができた。
しかも、インタビュアーとテレビカメラクルーが待ち構えた万全の状態で。
佐川氏が無言で立ち去ったにしろ、クルーを準備していたのは、佐川氏の居場所についてのよっぽどの確度の高い情報を手に入れていたことが想像される。
そして、さらに違和感があったのが、記者の問いかけが、
――（文書の）書き換えを指示したという話がありますが事実でしょうか？
http://www.news24.jp/articles/2018/03/05/04387199.html（参照2018-03-29）
であったことである。
３．3/5時点での状況
この記者による、
「書き換えを指示したという話がありますが」
については、改めて時系列を確認する。
すべて今月（2018年3月）の話で、
2018年3月の森友問題報道の時系列
03/02 朝日新聞スクープ
03/05 日テレNEWS24「佐川長官を直撃」
03/09 佐川長官辞任
03/12 財務省改ざんを認める
03/27 佐川証人喚問
03/29 日テレNEWS24「佐川氏指示伺わせるメール」 ←New!
であるが、この記者が3/5に問いかけたのは、3/2（金）に朝日新聞朝刊がスクープ記事を出して、土日を挟んだ月曜の朝のことである。
この3/5の時点では、朝日新聞の記事に対し、財務省が確認をすると言っている状態であり、改ざんが確定したわけではなかった。
それなのに、日テレの記者は、「書き換えは本当ですか」、「知っていますか」、と言った改ざんの有無の確認する質問を通り越して、
「佐川氏が書き換えを指示したという話」
の確認をしていた。
今から振り返れば、佐川氏が書き換えを指示していた、という疑いは浮かびやすいが、この時は、まだ財務省が認めてもいない、佐川氏が国税庁長官を辞めていない状態だった。そのときに、佐川氏に、関与の有無を通り越して指示の有無の質問をしたのは、違和感があった。
逆に言うと、雲隠れを続けている佐川氏の居場所を突き止め、車に乗る瞬間を撮影とインタビューできる場所に待ち構え、佐川氏に「指示していたという話」を質問したのは、相当確度の高い情報を日テレは得ていた可能性があるともいえる。
４．情報源は？
情報源の秘匿は、報道機関の根本であるので、情報源を暴くつもりはない。
ただ、予想しかできないが、3/5と3/29の日テレのスクープ報道を見る限り、日テレは、
高い取材力、かあるいは、関係者からのコネによるリーク
のどちらか（あるいは両方）による情報を得て、スクープしたと考えられる。
正直、これだけでは判断できないので、今後の日テレニュースに注目だ。
今度の日テレ報道に期待したい。
過去の考察のカテゴリーはこちら→「森友問題」考察
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