最後の最後まで安倍元首相について熟読させる読売新聞はやっぱりすごい

2022年7月8日。安倍元首相が亡くなられた。お悔やみ申し上げます。暴力には絶対に反対します。

なお、当ブログ記事には、人によっては不快に感じられる表現が含まれるかもしれません。その感情はいたってまっとうなものですので、少しでも不快に思われた方は、このページを閉じることをおススメします。

それはさておき、今回の事件では、読売新聞も、号外を出すなど、読者に、様々な内容を伝えてくれた。さすが安倍氏に「熟読してください」と国会で名指しされただけのことはある。

そこで、読売新聞を熟読している一読者が、今回の件で読売新聞がどれだけすごかったのかを、解説してみたい。

安倍元首相の最後についても、熟読せざるをえない読売新聞はすごい。

まだ事件が起こっていないのに事件当日の読売朝刊1面がすごい

読売新聞がすごいのは、事件の報道だけに限らない。

事件が起こる前である、事件当日の朝刊1面にも、何かを予感させる記事を載せていた。(個人の予感です)

当日の朝の朝刊1面下に、次の記事を載せている。

腸細胞培養 「ミニ臓器移植」
東京医科歯科大、世界初
潰瘍性大腸炎 根治計る

読売新聞2022年7月8日朝刊、”同”、大阪本社版13S1面。
2022年7月8日読売新聞夕刊(大阪本社版4版1面)と2022年7月8日読売新聞朝刊(大阪本社版13s1面)を並べて写真に撮り、フィルターをかけ、説明を加えた図。著作権の関係上、本文と関係ない部分を隠そうとしたら、かえって分かりにくくなった気もしますが、示したいのは、当日の朝の新聞1面記事に「潰瘍性大腸炎」についての記事が載っていたということです。

私には、正直、専門的なことはよく分からないが、難病指定されている「潰瘍性大腸炎」での新たな治療方法を用いた臨床研究が実施されたことが発表され、根治につながる可能性が期待されるとのことだ。

研究が進むことが期待されるし、苦しんでおられる患者の方たちの救いになることを切に願う。

ところで、「潰瘍性大腸炎」と言えば、ある元首相が、辞めた後に「実は・・・」という後出しでこの病名を出し、その後「いい薬」が出て治ったから復活して返り咲いた、という話が有名だ。その元首相は、再び「体調」云々を理由にして辞めていたのだが、そこに新たな治療法の記事が、読売の一面に。まるで、再々復帰のお膳立てのように。(個人の感想です)

事件当日の朝に、こんな記事を朝刊一面で載せていた、読売新聞は予言めいてすごい。

この新たな治療法が、この難病に苦しんでいる人の助けになって欲しいものだ。本当にこの難病に苦しんでいる人たちのために。

事件当日の読売新聞夕刊がすごい

事件が起こったのは午前11時半ごろだったようだ。私はテレビを見ていなかったので、リアルタイムでは断片的な情報しか得られていなかった。事件が昼前だったということだったので、夕刊には記事は間に合わないだろうな、となんとなくその日の午後を過ごしていた。(夕刊配達地域で地域差があります)。

ところが、私の地域の夕刊では、今回の件が載っていた。(同上写真左)。

安倍元首相銃撃 心肺停止か

読売新聞2022年7月8日夕刊、大阪本社版4版1面。

1面トップ(夕刊1面の定番である天気予報図やよみうり寸評や広告欄などを除けば全面記事)で、演説中の元首相と、現行犯で取り押さえられる男の写真を、カラーで載せていた。

個人的には、日頃、夕刊について、その存在価値を疑っていた面があることは否定できない。今の時代での夕刊での速報性や、株式の午前終値を掲載する意味などから、果たして、配達員の人手不足だという現状も聞くに及んで、このまま将来にわたって維持できるのか、疑問に思っていた。

だが、今回、昼前に起こった事件のニュースを、当日の夕刊に間に合うように記事に載せて、家まで届けてくれたということには、驚いたし、現場記者から配達員までの各所の頑張りに、敬意を表したい。あらためて、夕刊の存在意義を実感した。(ただ、さすがに、時間的に、死亡確認はテレビのニュースで先に知ることになったが)。

夕刊の存在意義を高めた今回の読売新聞は、すごい。

ただその一方で、どさくさ紛れのような記事もあったことにも触れておく。(個人の感想です)

当日は、参議院の選挙期間中。選挙の公平性から、報道は慎重でなければならないのは当然で、読売新聞も、(基本的には)それに従っている。もちろん、安倍元首相については、選挙への影響力は大きいものの、今回の選挙の候補者ではなく、ましてや、重大事件の当事者であるので名前を出すのは当然だろう。だが、候補者については、公平性を期すべきで、実際、当日安倍元首相が応援していた候補の名前は紙面には出ていない。(個人の確認です)

ところが、当日の夕刊には、

大阪選挙区に立候補している松川るい候補(51)は、(後略)

読売新聞2022年7月8日夕刊、”政界「許せない」”、大阪本社版4版7面。

と、ただ一人、選挙区と名前とセットで長尺のコメント付きで紹介されていた。(個人の確認です)

読売新聞2022年7月8日夕刊(大阪本社版4版7面)を撮影し、切り抜いた上にフィルターをかけ無関係の部分を黒塗りし、該当部分の記事の位置を示した上で、引用記事部分を拡大して、マーカー等で説明を加えた。

事件現場にいた奈良選挙区の候補者名すら名前を出していないのに、大阪選挙区の候補者の名前をわざわざ出してコメントを載せるのは、どういうつもりなのか。

そもそも、読売新聞は、選挙期間前から、「松川るい」という名前を、他候補者と比べて、不自然なほどに載せていたことがあったので、気にはなっていた。[当ブログ記事”今日も読売新聞はやっぱりすごい(2022年上半期)”「・2022/03/08(火)朝刊、社説3面。2022/03/09(水)朝刊、特別面20面」、「・2022/03/12(木)朝刊3面、社説」を参照]

ここまであからさまに、選挙期間中の、夕刊締め切りまでの短い間にコメントを取って載せ、かつ、名前を出して記事にするというのは、問題ではないか。(なぜ短期間にそれができたのかという点も含めて)。

まるで、松川るい氏は読売新聞の組織内候補だ、と言い切っても違和感がないくらい、すごい。

事件翌日以降の読売新聞もすごい

翌日の新聞ともなると、徐々に、事実が明らかになったり、亡くなった安倍氏の功績を振り返る記事が出てくる。

まず犯人の動機だが、読売新聞では、捜査関係者によるものとして、

動機について、「安倍氏の政治信条に対する恨みではない」とした上で、特定の宗教団体の名前を挙げて不満を述べ、安倍氏に関係していると独自の主張をしている。

読売新聞2022年7月9日朝刊、”安倍元首相撃たれ死亡 奈良で選挙演説中 元自衛官現行犯逮捕”、大阪本社版13S1面。

と記事にしている。

読売新聞がここで、「独自の主張をしている」と、「独自の」とした理由がよく分からない。

「特定の宗教団体」と「安倍氏」の関係と言えば、すぐに思いつきそうなものだが(個人の感想です)、何が「独自」なのだろうか。それともみんなが思っている「関係」と違う「宗教団体」だったのだろうか。

こんなところで、「独自の主張をしている」との「独自の記事」を出す、読売新聞はすごい。

一方、亡くなった安倍氏の功績を振り返る記事も、事件後数日、(わらわらと)出てきた。

訃報記事なので、どうしても故人に対して甘くなるのは仕方がない面もある。ただ、薄っぺらい表面上だけの訃報記事であれば、むしろかえって故人に失礼ではないだろうか。

読売新聞では、あの人口に膾炙した言葉をなかなか使おうとせず、今回の一連の記事でも見かけた記憶がなかったので、気になって検索すると、

読売オンラインで2022年7月8日から7月10日までの期間、紙面記事検索で「アベノマスク」と「アベノミクス」を調べた結果をスクリーンショットして並べて説明を加えた図。(撮影・加工2022-07-11)

だった。

読売では、「アベノマスク」はなかったことにされているみたいだ。(ちなみに、「布マスク配布」と表現しているのは見た。)

「アベノマスク」という言葉も、まるで「特定の宗教団体」並みに読売では言えない「独自の主張」みたいで、読売新聞はやっぱりすごい。

思えば、安倍氏は、国会で「読売新聞を熟読して」と言っていたのに、当人が熟読できなくなってしまったのは、残念だ。もっとも、安倍氏当人が生前から読売新聞を熟読していたかどうかは知る由もない。生前の発言から想像するに、実際に熟読していたのは朝日新聞だった可能性が高いが。(個人の感想です)

そんなこんなで、事件前から事件後まで、安倍氏の言ったように読売新聞を熟読すればするほど、安倍氏のことが分かると、ある意味証明するかのようで、そんな読売新聞は、安倍氏の最後について、最後の最後まで熟読させて、やっぱり、すごい。

おまけ

なお、2022年7月11日の朝刊は、前日の参議院選挙を受けての、特別輸送体制で送られましたが、当日の読売朝刊では、大阪の地方版の紙面では得票順に妥当な大きさで各候補者の記事が載っていて、同選挙区2位で当選した松川るい候補も写真付きで掲載されていました[読売新聞2022年7月11日朝刊、大阪本社版大阪1地域16面(「大阪1」の1は紙面では丸数字)]。そして、その上でなお、社会面では、どの候補よりも大きくカラー写真でピックアップされて掲載されていました[同、大阪本社版16版社会19面]。

読売新聞2022年7月11日朝刊(大阪本社版16版)社会面18-19面の見開きを撮影し、一部画像を修正し切り抜いて、引用者によって独り言を付け加えました(撮影・加工2022-07-11)。

(ちなみに、気になったので、読売オンラインの紙面ビューアで他の地域の社会面をそれぞれ確認したところ、社会面で松川るい候補を写真付きで大きく取り上げていたのは大阪本社版のみだったことが分かりました。個人の確認です。)

これだけあからさまに、読売新聞が松川るい候補の記事を載せまくっているのを見ると、「特定の読売新聞記者」が「松川るい氏」に「関係している」と「独自の主張をしている」みたいで、読売新聞はやっぱりすごい。


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